寒い日の買い出しは、何故か男子と決められている。 今日も団長の「肉まんが食べたい!食べたいと思うとすぐに食べないと気が済まないわ!だからキョン! ちょっと行って買ってきてちょうだい!ついでに古泉くんも行ってみんなの分のお菓子をお願い! 今日はそれを食べながらのミーティングにしましょう」という突然の思いつきで、 我々SOS団の男子メンツは学校近くのコンビニに来ていた。

「大きいお菓子を買ってみんなで摘む、という風でいいのでしょうか」

「そうだな。あとは小さいのをいくつか買っていけばいいだろう」

「女性はチョコレート菓子がお好きですよね」

「俺達用にはポテチ買おう」

「はい」

どれにしましょうか、と菓子棚の前にしゃがみ込みながらあの端正な顔を引き締めて選んでいる古泉の横で、 俺は小さい菓子が並ぶ棚をぼんやり眺めた。どれもハルヒに奢らせられた思い出のある菓子達ばかりだった。
視界の端に一つの飴が目に入った。 子供向けの、着色料で色をつけましたと言わんばかりに赤い色の大きな飴だった。 ご丁寧にプラスチックのリングまで付いている。成程、指にはめて遊ぶも良し、飽きたら嘗めるも良し、なわけだ。
真剣に悩みすぎて眉間にシワが寄っている古泉をチラリと確認して、こっそり買物カゴの中に忍ばせた。
お前の為に買ったんだ、さぁ嘗めろ。そう言ったらこいつはどんな顔をするだろう。

「いい加減悩みすぎだぞ。どれでもいいから早くしろ」

「すみません。今決めます。……おや、」

「どうした」

「いえ、嬉しそうな顔をしているものですから。何か面白い物でも見つけましたか?」

「……いいから早く選べ」

「あ、すみません、今決めます」



『コンビニ』
08/11/24