風が吹いた拍子に目の中に砂が入った。ざらつく痛みに瞬きを繰り返す。 消えない痛みに焦れて目を擦ると、政宗殿に腕を掴まれた。 涙でぼやけてよく見えない視界の中で、政宗殿の顔が近付いてきた。 そして瞳に嘗められた感触がして、それは痛みとともに離れていった。 政宗殿は舌に砂粒を乗せながら笑って言った。

「目玉は大事にしろよ」

くしゃりとしたその笑った顔は何故だか、今にも泣きそうな顔にも見えて、 その顔を見たら今度は胸が痛み出した。痛む胸に手を添えると心臓の辺りだった。
さすがに、胸の中まで嘗めてもらうわけにはいかないだろうなあ。



『砂』
08/11/24