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その日はとても暖かく風も心地良かったので、芝生に寝転がって日向ぼっこをすることにした。 アルバイトで疲れた身体はすぐに眠りに沈んだ。 顔に影が被さった。眠い頭のまま目を薄く開く。影の主はカサッと音をたててすぐ近くに腰を下ろした。 「タカ丸さん」 「あれ、起こしちゃった?」 寝転がったまま、どうしたんですか、と問うとタカ丸さんはあの独特のふにゃあとした笑顔を浮かべた。 気持良く眠れるように日陰になろうと思ったんだ、でも逆に起こしちゃったね。 「ごめんねえ」 「いいえ、ありがとうございます」 あはは、とタカ丸さんが笑った。へへへ、とおれも笑った。何だか嬉しい気持ちになった。 「あ、兵助くんだ」 遠くで5年の久々知兵助先輩がタカ丸さんを呼んでいる。どうやら突然、火薬倉庫の点検になったらしい。 おれに、邪魔してごめんね、と言って慌てて久々知先輩のもとに行くタカ丸さんを見送ってから、また芝生に寝転がった。 タカ丸さんの居た辺りの草をいじる。確かに日陰があった方が気持良く眠れそうだ。 もうじき探しに来るだろう乱太郎かしんべヱか土井先生辺りに、暫く日陰になってもらおう。 ( 嗚呼、 ) おれは幸せだなあ。 『芝生』 08/11/30 |