頭が痛い。無意識に足が貧乏揺すりをしていた。踞って頭を抱える。

「なあ伊作、大丈夫か」

相部屋の留三郎が弱々しい声で言う。 どうすることもできず挙動不審な留三郎は見ていて面白かったが、今はそれを楽しめそうにない。

「痛いよ、頭痛い、留、凄く痛い」

留三郎の顔が苦しそうに歪んだ。

「ま、待ってろ。新野先生を呼んでくる」

「いいよ行かないで。一緒に居て。ここに居て」

手を掴み再び座らせて、その膝に頭を乗せる。すると頭巾越しに撫でられた。 酷く優しいその仕草に思わず泣きそうになって、余計頭痛がした。

( きみを好き過ぎて頭痛がするんだ。もう一歩も歩けそうにない。 )

留三郎は、痛みに疲れて眠りにつくまで頭を撫で続けてくれた。
きっとこの頭痛は止まない。そんな優しい絶望の中、私は留三郎の膝で眠った。



『頭痛い』
08/11/30