「ねぇーえ、これ、キッドくんに似合いそうじゃなぁい?」

「んー。いやでも、これシンメトリーじゃないから」

「ダメかなぁ。シンメトリーじゃないと被ってくれないかなぁ」

「絶対被らないと思う」

「じゃあ奥のあれは?」

「あぁ、シルクハットか。へえ、デザインも格好良いな」

「よし決まりー!お店はいろー!」

「わぁバカ!パティ!そこはドアじゃない!つか、まず値段確認しろ!!」



「おぉ、リズ、パティ」

「……え、あれ、なんで?」

「あれぇ、キッドくんが帽子屋さんに居るぅ。 さっき本屋さんに行かなかったっけ?」

「店内が左右対称じゃないのが気にくわなくて出てきた」

「キッド、それ」

「あぁ、これか。お前達に似合うと思ってな」

「かぁわいいー!えぇ、くれるの!?」

「今度パーティがあるから、ちょうど良いと思ったんだ。どうだ、被ってくれるか?」

「うんうん、被る被るぅー!」

「でもキッド、これめちゃめちゃ高そうなんだけど」

「あ、そうだ!あのね、これ、キッドくんに買おうと思ってたの!」

「おや、シルクハットじゃないか。ちゃんとデザインもシンメトリー!」

「そうそう!だから、パーティではこれ被ってね!」

「もちろんだとも。是非被らせて頂こう!」

「おーい、パティ」

「なぁに?」

「これ、日頃のお礼のプレゼントのはずだったろ」

「うん!」

「キッドのやつ、嬉々としてあの帽子の代金も含めた額を払ってるぞ、いま」

「え? あー、キッドくん!それじゃあプレゼントにならないよー!」

「ラッピングは3つとも丁寧に美しくそして左右対称にしてくれたまえ!あぁ違う!リボンの端がずれているぞ店主!」

「聞いちゃいねえよ」



『帽子屋』
08/12/28