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宮田くん、と言った。何度も何度もうわ言のように繰り返し呟いた。 こいつの口から溢れる自分の名前。宮田くん。宮田くん。ねえ、みやたくん。 言いたいことは山ほどあった。 たくさんありすぎてまずどれを言えばいいのだろうと悩んで、そうしているうちに言いたかったこと全てを忘れてしまった。 だから、俺も名前を呼んだ。何度も何度もうわ言のように繰り返し呟いた。 幕ノ内。幕ノ内。ああ、まくのうち。 呟けば呟く程、呟いたら呟いただけ、自分と彼との距離はなんと近くて遠いことだろうと思い、泣きたくなった。 ( 嗚呼こいつへの言葉と共に泣き方まで忘れてしまった。 ) 『お別れ』 09/2/19 |