「ねぇ、いつまでそうしてるつもり?」

ドアを少しだけ開けてこちらを覗き見ている青年に、タルホはため息をついた。
先程から、じぃっと見てくるだけでいくら呼んでも部屋の中へ入ってこようとしない。

「さすがにこんな赤ちゃんにまで人見知りなんて、しないわよね?」

「…………。」

「何とか言いなさいよ」

「こ、恐ぐなんか、ねぇ」

「なら、そろそろ入ってきたら?」

「……泣かれる」

「あんたを見て泣き出す子供って、凄く少ないと思うけど」

静かにドアを開けて、恐る恐る部屋へ入ってくる。

「……その微妙な顔やめてよ」

ゆっくりゆっくりタルホが居るベッドへ近寄り、さらにゆっくりと、タルホの腕の中で眠る赤ん坊の顔を覗き込んだ。

「ね? 平気でしょ?」

微妙な顔のまま、頷く。

「ホラ、ドギーお兄ちゃんですよー。初めましてー、よろしくねー、可愛がってねー」

「かわいがるって……、どうやって……」

「モーリス達にしていたのと同じように、話して、遊んで、笑って。それでいいのよ」

出来るでしょう? と問われ、ムーンドギーは小さな声で、やってみる、と答えた。

「この子を愛して、守ってね」

お嫁にはあげないけど。
タルホが笑って、ムーンドギーの背中をバシバシと叩いた。



『シュガーピンクベイビー、のオマケ』
オマケです。本当はオマケ扱いではなかったのですが、思うところあってオマケにしました。
ホランドとタルホの娘(すみません、子供の性別を勝手に女の子にしてしまいました)が生まれたての頃のこと。
生まれたての赤ん坊におっかなびっくりのドギー。男の人ってそういうものですよね。