温かい日差しを浴びながら思いきり伸びをする。とろんと瞼が重い。
ソファーの上でくつろいでいると、顔の上に影が被さった。

眠りに入ろうとしていた重たい瞼を薄く開く。ホランドに顔を見下ろされていた。

「おい、腹出したまま寝るな」

帽子を奪われ、眩しさに目を細める。

「そのうち風邪ひくぞ。馬鹿だからって、安心してんなよ」

まだハッキリしない頭でとりあえずの返事をしてから、上着を引っ張って腹を隠す。
のろのろと起きあがると、今度はホランドがソファーの上に寝転がった。

「……疲れだの?」

ホランドは何も言わずに、ムーンドギーの膝に頭を乗せた。

( 重い。 )

けれどこの重みは、甘やかな重みだ。匂えば香り立つような、甘やかな幸せだ。

「もっと屈め」

「?」

背中を少し丸めた。その分近づいたホランドの顔はニヤリと笑っている。
指が顔に伸びて、そのままムーンドギーの鼻を押し上げた。

「ハハッ、ブタ鼻。すっげぇ間抜け面」

負けじとホランドの鼻を指でつまむ。そしてそのままホランドが先に指を放すまでつまみ続けた。


温かな日差しを眺めていると、また眠気に襲われた。瞼が酷く重たい。
しかし、今すぐ眠りたいのに膝にはホランドの頭が乗っている。
どかしてしまおうかとも考えたが、深く眠っている彼を起こすことはどうしても出来なかった。

( ダメだ、もう、眠…… )



次に起きた時はもう、甘く眠気を誘った日差しはどこにもなくて、空は朱色に染まっていた。




『いつの間にか過ぎた昼』
一緒に居ると一日はとても短い。