帽子がさ、

風に飛ばされたんだよ。

そんであいつはそれを追いかけて行ったんだ。

帽子はすぐ近くに落ちて、すぐに捕まえることが出来た。


だけど、


また帽子が風に飛ばされたんだ。

もちろんあいつはすぐに帽子を追いかけた。

まって!いかないで!、とか言いながら。

もうさ、マジで、必死なんだよ。

帽子ひとつに真剣になって、それが、笑えるくらい可愛いかったんだ。


そんで、帽子を拾い上げるために屈んだんだ。

そしたら見えたんだよ。

ほら、あいつの上着って裾が短いから。

真っっっっ白な腰が、チラリズム。

もうねほんとどうしようかと思った。

グッときちゃって、胸がズギュンって撃たれちゃった。

マジやべぇ。ほんとヤベェ。とにかくヤベェ。



あ? なになに、『相手は男だぞ』?

んなこと知ってるっつーの!だぁからこうして悩んでんじゃねぇか!!

ん? 『もしあいつが女だったらどうしたか』って?

そりゃあ―― んだよ、やっぱり答えなくていいってどういうことだよ。

おいハップ、真面目に聞けって。

おれだってあいつが男で下半身におれと同じもんがぶら下がってるんだってことは分かってるわけよ。 でも、マジで最近あいつが可愛くてしょうがねぇんだ。なんでか知らねぇけど、やることなすこと可愛く見えてくんだよ。どうしようもないんだ。


「おいホランド、飲みすぎだ」

「まだ酔っぱらってなんかいねぇぞ」

「充分酔っぱらってるじゃないか」

「あー、もうホント無理」

「何が」

「色んなものが色んな意味で、もう無理。耐えられる自信がない」


だってあいつ、かわいすぎ。




『もうムリだ』
酔っぱらいホランドに付き合わされるハップ。ホランド→ドギ