あんたはずっと死んじゃいけない人なんだ。

おつむの弱い小僧っこが、また何か変なことを言い出した。
ホランドはその程度にしかムーンドギーの言葉の意味を考えようとしなかった。
ハイハイそうですねでもおれは不老不死じゃないからいつか死ぬんだ。
自分を見上げる少年に男は笑いながらそう言った。

あんたが死んだらみんなが悲しむんだ。

少年は泣き出しそうな目で男を見る。ふざけないでちゃんと聞いてお願いだから。
ホランドという男はそれでも笑おうとする。
どうして突然そんなことを言うんだおれはまだ死ぬ予定はないんだぞ。

ムーンドギーは俯いて、ホランドが立つ床に話しかけるように、言った。

あんたは、絶対に死を恐れたりなどせずそのまま受け入れてしまうだろうから。

泣いているのかもしれない。ホランドは少年の頭を見つめてそれだけを思った。




『じわじわと死に犯される感覚を、彼は愛するかもしれないから』
死を恐れないホランドとそんなホランドが恐いドギー。