ベッドの上で背中合わせに座り、本を読んでいた。 ペラリ、カサリ、とページをめくる音が部屋に小さく響く。 耳をすますと、自分ともう一人の呼吸音が聞こえた。 あわせるように、吸って、吐いて、少しだけ息を止めて、また吸って。
背中越しに感じる体温は暑かったけれど到底振り払う気にはなれなかった。
相手の体重を感じて、自分も体重をかける。丁度良くバランスがとれた。心臓の音がとても近い。 目を閉じればその鼓動と一つになれそうだと思えて、愛しさが増した。 呼吸と共に上下する背骨の感触が伝わってくる。なんて心地良いのだろう。
ペラリ、カサリとページをめくる。もう目は本を読むことを止めていた。



『しんおん、ちかい、ふたり』
意識のしたで探り合い。