「何だ、これは」

「思案帳という名前の覚え書き」

「……この、『猫の目ふたつ、見る色』とは何のことだ」

「それはこの間見た猫の話。目の色が左右で異なっていたものだから、 あの猫になって周囲を見回したら、空を見たら、どんな色をしてどんな風なのだろうと思ったんだ」

「それで?」

「それだけ」

「…………。」

「返して。中在家先輩に話してこなければ」

「へ?」

「聞いてもらうんだよ」

「聞いて貰ってどうするんだ」

「どうもしないよ。あぁでも、きっとまた一つ頷くだろうね。そっか。そう、頷いてほしいんだ」

「……中在家先輩は猫がお好きなのか?」

「さてどうだろう。嫌いではないと思うけれど」

「なぁ、喜八郎。今度は何の遊びを始めたんだ」

「なにそれ」

「まぁいい。猫のことだが、本当に知りたいのなら生物委員会の竹谷先輩に聞いてみたらどうだ。 きっと答えてくれると思うぞ」

「いいの」

「はぁ?」

「いいんだ。考えることが、楽しいから」

「……はぁ」

「滝、今夜は委員会で遅くなる?」

「あ、あぁそうだな」

「そう。じゃあ先に寝てるから。それじゃ、また後で」

「あ、待て!まだ行くな!『滝が鼻、花食べる、腕』とは何なのか話してから行けぇ!」



『僕と世界、ふしぎな世界』
『ない交ぜの世界、僕の世界』のおまけ。滝が気にしてるキーワード、私も何のことだったか思い出せない…。